NO.13

ホテルの客室係りのお兄さんがニコニコと帰った後、充電器をコンセントに差し込んでみた。
その途端にバシッと音がして、部屋中が真っ暗になる。
びっくりしたのなんの。。充電器からは紫色の火花が飛んだ。
ショートだ。。
慌てたって仕方がないけど、暗いのは困る。真っ暗な中でとにかく充電器を持ってロビーのレセプションまで下りる。カウンターにいたお姉さんに、電気がつかない事を話す。段々自分の顔が憮然としてくるのが分かる。フロントのタイ人のお姉さんは、申し訳けなさそうに電話をしている。部屋で待っていてくれというので、ちょっとプリプリしながら、戻る事にした。
怒りが込上げてきたのは、ちゃんとトランスフォーマーって言ったのに、通じてなかったんだということ、それからバンコクに住んでいる犬仲間のお友達に連絡をする暇がなくなるということがあったから。
バンコクに入ったら、一番に直子さんに連絡をしようと思ってた。なのにこの始末。明日はまた早いのにな〜。
30分ぐらいして、さっきのお兄さんがやって来た。真っ暗な部屋を見て事情が分かったようだ。
懐中電灯を用意してヒューズの取替えをするようだ。バタバタ走り回っている。
ヒューズボックスが開かないのか、セカセカと部屋の外へ走り出てまた、ドライバーを持って戻って来た。
私はベットに座って真っ暗な中で、彼のする事を見ていた。明るさが戻った時はもう、夜の9時過ぎ。直子さんの家に電話するには遅いよね。。
仕方がないので、近くを探検して、お土産を買うことにした。このままで行くと買い物をする暇もなさそうだから。明日も朝が早い。
ホテルの近くは賑やかな下町。現地の人がたくさん買い物をしている。暫く行くとスーパーがあった。中に入ると物が溢れている。タイ文字は全く読めないが、英語の表記のものを見て見当をつけ、キャンディやコーティングしたチョコ、ナッツ、ゼリーもどき、等片っ端から籠にいれる。
タイラーメンもあったから何種類か入れる。山盛りの籠を持ってレジに行く。ミルクを買っている若いお母さんや、ラーメンだけ2袋持って並んでいる女の子、子供連れのお母さん、何処も似たような風景だと少しずつ顔がほころんでくる。
これだけ買ってお金が足りるかしらと、ふと心配になる。持ち合わせは3,000バーツくらい。(日本円で9,000円強)足りない時は戻せば良いや楽観的に考えて順番を待つ。レジには二人の女性が居て、テキパキと計算をしてくれる。この頃殆ど見なくなった、レジの手打ちだ。打つのが速い〜!びっくりして見ていると、値段の表示部分を指し示された。何と520バーツくらい。
え〜〜。こんだけ買って1,500円!
私はタイが好き!安い事は良い事だ!
にっこにっこで部屋に帰る。さっきまでの不機嫌さはどこかに飛んでいった。

翌朝、朝食はホテルの最上階のレストラン。天気は悪いが朝6時の朝食も、ちっとも嫌ではなくなった。窓越しに風景を見ながら朝食をしっかり摂った。今日は水上マーケットに行く。直子さんに連絡を取れないまま。。(朝、早すぎる電話は失礼だよね〜)
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