No.5
ロマンチックと雑踏
広大な領土を誇ったローマ帝国。

侵略した国々の人々を奴隷にして連れ帰り牛馬のように働かせる。ローマ市民は、普通の楽しみでは満足できなくなり、人が殺されるところを見て喜ぶ。
そんな究極の観戦をすることで一喜一憂する人々が大勢いたはず。でも、朝早くここを訪れると、そんな古の喧騒も、静まりかえったコロッセオの石組みの中に吸い込まれてしまっているようです。

傍らにはコンスタンティヌスの凱旋門。
凱旋門から振り返って見るコロッセオの姿はとても印象的でした。



ローマ市内の見所はたくさんあります。
多分一ヶ月くらいゆっくり滞在すれば、何とか全てを味わえるかもしれません。

定番のトレビの泉はいつもたくさんの観光客で賑わっています。
しかもかなり狭いゴチャゴチャした印象の場所で、建物群の中に押し込まれて窮屈そうです。
泉の真向かいには土産物屋さんや、ツアーガイドの説明を聞く人達でいっぱいです。

ローマの休日のアン王女のように、ロマンチックな気分に浸りながら、コインを投げ入れてみるには笑ってしまうほど、雑多で賑やか。
日本人の私は、もう一度ローマに戻ることができるように、形式に添って肩越しに5円玉を投げました。(^.^)



世界最小の国バチカン市国。
カトリックの統帥ローマ法王がおいでになるこの国は、イラク戦争の勃発で手荷物の検査がかなり厳しくなっていると聞きました。
イスラム教とキリスト教の確執は長い歴史をもってしても解決できない複雑なものがありますから、事件が起きると警備が厳しくなるのは当たり前だと思います。

だから、サンピエトロ寺院には長い行列を覚悟して入らなければならないと思っていましたが、結構スムーズに入れて拍子抜けをしてしまいました。

中に入ると素晴らしい彫刻や絵画に圧倒されます。写真を自由に撮ることが許可されているのは、絵画だと錯覚したものがタイルによるモザイク画であるからなのですがその精密さには驚かされます。
ミケランジェロのピエタ像は暗くて、綺麗に写真に撮れませんでした。薄い幕が前にかかっているのは保護のためでしょうか。。前に来た時はそのまま見ることができたように覚えています。

バチカン市国を守るのは、スイス人の傭兵達。中世の衣装よろしく、騎士然と立つ姿は一瞬過去へタイムスリップしてしまいそう。その時代に思いを馳せながら、常に雑踏の中を歩いていると、この国全てが世界の観光地であることを思い知らされます。年々観光客が増え、何となく匂いや空気が変っていくようです。

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