2010年5月4日ホームページをリニュアルしました。まだ、少しだけ不完全なところもありますけれど・・・
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回復の巻 術後編 その3
分かりましたと彼女は短く答えて、部屋を出て行った。
暫くすると、副婦長さんが一緒にやってきて
「6人部屋ですが、今空き部屋になっている103号があります。そちらに移りますか?手術前に入っていらっしゃったのでお分かりだと思いますが、回復室ではないので少し設備を使うのに不便なところが出てきます。それでも、今の状態よりも良いかもしれませんね。」
入院する前に、開腹セットの購入について説明された時の、あの優しい声で言った。
「はい、お願いします。」
部屋が変る、フリフリ娘の姿を見なくてすむ、そう思っただけで熱が下がるような気がする。
先ほどの看護婦さんが
「それでは準備をします。今日から重湯を食べますよ。一応お食事をここで済ませて、終ったら導尿の管をはずします。そうすると、頑張っておトイレは自分でして貰うことになります。良いですよね?」と微笑みながら言う。
「分かりました。宜しくお願いします。」
決まってしまうと、初めて身体を起こす作業も別になんて事はなかった。
看護婦さんが、ベッドの下についているハンドルを回すと、上から3分の1くらいのところで折れて持ち上がる。
それと共に、私の身体も直角近くになるまでひとりでに起き上がっていった。
起き上がると、何となく臓器が下に引っ張られるのが分かる。
ついている管も何もかも、新たな位置に動いて収まる。それに身体が慣れるまで、少し時間が掛かる。
ただ単に起きているだけなのに、マ〜疲れること。。
頭がクラクラしたり、息が更に弾んだり。。
そうしているうちに、どこからともなく鈍い言いようのない痛みが身体の中から湧き上がってくる。
多分点滴と共に痛み止めも処方されているはずだから、この鈍い痛みの元の真の部分は、とてつもない痛みなんだろう。
本当の痛みを誤魔化している、変な痛み。
そうやって自分の身体と対話していると、手術後初めての食事が運ばれてきた。
それは粒がまったくない、重湯に間違いなかった。
病院の味気ないプラスティックの容器に入ってきていた。
白い半透明の重湯。
しっかり食べなさいと旦那様に言われて、ひと口 すすってみた。
何の味もせず、無論 ふた口目が欲しくなるわけもなく、けれどやはり食べなければ腸の動きを促すことにはならないので、食べるべきだと自分に言い聞かせる。
三口食べてそれ以上はどうしても食べることができない。次はもっと食べられるに違いない。だから無理しなくて良いと考えることにした。
そのまま、スプーンを置いて、ベッドに持たれかかると、また息が弾む。
でも、増血剤の投与が始まったからか、少し楽になったような気もする。
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