2010年5月4日ホームページをリニュアルしました。まだ、少しだけ不完全なところもありますけれど・・・
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術の巻 当日編 その4
隣のベッドに手術の終わった人が、入ってくるようだ。
最悪の気分。
急に明るい声がした。和子だ。
私の妹のような存在の彼女は、この病院の内科のドクターの奥様である。
何時も私のことを心配してくれる、ありがたい存在だ。病院の敷地内の職員アパートに住んでいる。
彼女には今回のことは内緒にして、入院した。
たまたま、今日家に電話して母に聞いたようだ。
「わ〜!どうしたのぉ?どうして教えてくれなかったの〜?」
彼女の明るい声は、聞いているだけで元気になる。ぱぁ〜っと部屋に日が射し込んで来たように感じた。
和子は彼女自身も薬剤師なので、煩いぐらいに心配してくれる。
私は彼女の話しを聞きながら、少しずつ寒気がして来た。
どうも熱が出始めたようだ。
和子はすぐにそれを察知して電気毛布を掛けてくれた。と、今度はまた別の声が。
「どうですか〜?大丈夫ですか?」
律子さんだ。手に大きな花を持っている。籠に挿した花はまるでブライダルブーケの様に可憐で綺麗だ。
白衣に着替えてナース帽を被っている。
「無事に済みましたからね。良かったですね。時間が長くなったけど。」
白衣だと手術室用の青緑色のものとは違って、顔色が綺麗に見える。
「ありがとう!律子さんが居てくれて本当に良かった。何時も手術室なの?」と聞くと
「ええ、もう長い事手術室に居るのよ〜。だから下界の事は何にも知らないの。さ、疲れるといけないから、また来ますね!」
彼女はそう言うと爽やかに部屋を出て行った。
置かれた花が清々しい。蘭の花を中心にした花篭は、この殺風景な部屋を明るく華やいだ気分にしてくれる。
「そろそろ仕事の時間だ。帰ってできるだけ早く仕事を済ませて、こちらに来るよ。それまでちょっと頑張れ。
お義母さんに来てもらうように手配するから。」旦那様が思い出したように言った。
時計を見ると、4時半だった。もうそんな時間なんだ。
仕事に戻る旦那様に和子が
「おばあちゃんが見えるまで、私がここに居るから、大丈夫よ。気にしないで!」と言った。
彼は本当に安心したようにニッコリして
「悪いね。じゃ、宜しく!」と言い置いて部屋を出て行った。
気分が悪い。何だか息苦しい。
「熱が高くなり始めたんだわ。私は家に帰ってタオル持ってくるわ。小さいハンディタオルの方が額を冷やすのに使いやすいから。それに、この床に敷いて休めるような、ちょうど良い大きさのピクニックマットを持ってるのよ。あれを持ってくるわ。そうしたらおばあちゃんも休めるでしょう?」
と和子は言ってパタパタと部屋から出て行った。
入れ替わりに、徳久先生が部屋に入って来た。
「時間がかかりましたけど、出血は400CCで済んだし順調に終わりましたよ。」
にっこり微笑んでそう言ってまた部屋を出て行った。
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