2010年5月4日ホームページをリニュアルしました。まだ、少しだけ不完全なところもありますけれど・・・
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入院顛末記
急に稲留さんと二人になってしまった。静かだ。
私は暑い暑いと、団扇をバタバタさせて寝転がった。
稲留さんが、思い立ったように 「電話をかけてくるわ。」と言って 部屋を出て行く。
暑い、全く 暑い。この頃の天候はおかしい。9月も末なのに、30度を越す暑さが続いている。
「どうだ?調子は。」
旦那様がニコニコして部屋に入ってきた。手に大きなビニール袋を持っている。
「探したんだぞ!ほら扇風機。」
ひょぉ〜。真っ白い小さい扇風機だ。クリップ式で ベッドの手すりに挟めるようになってる。
う、う、うれしいぃ〜〜。
何よりも嬉しい差し入れだ。ウキウキしながら取り付けてもらう。
うお〜!涼しい。ありがと!
「じゃ、もう仕事だから、帰るぞ。明日8時には来るから。9時には手術室に入るんだろう?」
「うん。」
5時半に、部屋の入り口にちょっと太目のドクターが現れた。
青緑色の手術衣を着て、大きな白いマスクを片方の耳にぶら下げている。
今手術が終わったのかな?
谷口さんの手術だろうか。
「麻酔医のTです。明日の手術の麻酔を担当します。説明をしますので、ついて来てください。」
頼りなさそうに、小さい声で話す先生だ。良く聞いてないと声を聞き漏らしそうだ。
キューピーちゃんのような雰囲気がある。
ドクターは さっき剃毛をした部屋に入って行く。
言われた通りにベッドに座る。
「明日一番の手術ですね。麻酔医として私も手術に入ります。背骨に2本針を刺して 腰椎麻酔と硬膜外麻酔をします。全身麻酔と比べて身体に負担がありませんから…こっから下に麻酔をするんです。」 と、鎖骨の下辺りに持ってきた右手を、下半身へ下ろして行く。
左手には、私のカルテらしきバインダーが握られている。
「手術の間は眠ってますから大丈夫です。麻酔の処置で30分ほどかかります。何か、質問がありますか?」
「いいえ、宜しくお願いします。」と私は答えた。
ふぅ〜ん、麻酔の専門医と執刀医が2人。すごい手術なのかしら。盲腸と同じだって聞いてたけど…
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